ポスト喪男の杞憂

女の子にモテたいっつってんの

女子高生と働いたというお話

半年前くらいのことでしょうか。仕事で15歳の女子高生と3日間だけ一緒に働くことになりました。自己紹介をして「何歳ですか?」と聞かれて「25歳だよ」と答えると「10歳、違いますね」と言われて膝から崩れ落ちるなどしました。10歳も離れている彼女に何を話していいか困ってしまいましたが、沈黙にも耐えられなかったので他愛もない会話をダラダラとしたことを覚えております。

まったくお客さんが来なくて1日目が終わり、2日目も全くお客さんが来なくて暇を持て余しておりました。休日出勤ですが、座っているだけでお金が貰えるなんてなんていい仕事だろうと思いつつ彼女と他愛ない会話をダラダラしていました。今時の女子高生にしては珍しく?(今時の女子高生がよくわからないのでイメージですが)スマフォを弄る様子もなく、彼女自身の高校生活とかも話してくれました。高校生活から離れて久しいので、どこか遠くの国のことのように感じながら僕もうんうん聞いておりました。

最終日になっても白昼夢ではないかと疑うくらいお客さんは来なくて彼女と二人だけの時間は続きます。とても長かったように感じますが思い返すと一瞬でした。人生も同じようなものです。

しかしながら3日も一緒に居ると話すことなんてほぼありません。ここでふと寝たふりをしたらどういう反応をするかな?と好奇心に負け、タイミングを見て寝たふりをしました。仕事中に。彼女は僕が寝たことに気付いて呼びかけます「25歳、起きろ」と(何故か彼女は僕のことを名前ではなく年齢で呼びます)ここで起きたら負けです。無視をしました。ふと顔に何か近づく感じがしました。これはマズイ!と起きるか寝たふりを続けるか悩んで起きようとした瞬間「パチン!」破裂音、手を叩く音です。ビックリして起きて彼女を見ました。私やってませんけど?とでも言うように知らんぷりをしておりますが、若干ニヤけています。「キミしか居ないぞ」と指摘。彼女「夢でも見ていたんじゃないですか?ぐっすり眠っていましたよ?」と笑う。年相応の少女の笑顔でした。ここ3日間で初めて見た表情でした。

結局3日間でお客さんは1人のみ、しかも10分も居ませんでした。休日出勤でしたが、貴重な休日を出勤で潰されたという感覚すらなく淡々と撤収の作業をしました。彼女ともまた明日一緒に働くんじゃないかってくらい何事もなくサラっとバイバイしました。

帰宅して3日間のことを思い出してふわふわした浮遊感とほんの少しの喪失感に包まれてあぁ恋をしてたんだなって気付きました。でも不思議と自分のことじゃないような気がするんです。

現在の自分ではなく、置いてきた遠い過去の高校生の自分が恋をしていたのでしょう。

彼女のことはよくわかりません。生クリームが苦手なことくらいしか覚えていません。会おうとも特に思わないし、多分もう会うこともないでしょうけど、いい夢を見せてもらった気がします。ありがとうございました。